メタンハイドレート
メタンハイド―レートは低温かつ高圧の条件下でメタンガスと水が固体化したもの。太平洋側の砂層型と日本海側の表層型に分類され、資源量は多いが回収コストが高いため、在来型の資源が枯渇しエネルギー価格が高騰するまで商業化できない。その時期は早くても数十年後で輸入エネルギーの一部を賄う程度。莫大な予算で開発を続けているのは利権のため。エネルギー収支が1以下で原理的に資源にはなり得ないという説も。
メタンハイドレートとは
メタンガスと水が低温・高圧の状態で結合した氷状の物質
メタンハイドレート(英: methane hydrate)とは、低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた、網状の結晶構造をもつ包接水和物の固体である[1]。およその比重は0.9 g/cm3であり、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている[2]。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照。)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。メタン水和物とも。日本の取り組み
2001年から1500億円以上賭けたが商業化の目処立たず
経産省 エネ庁
2001〜2018まとめ
計画:砂層型(太平洋)
計画:表層型(日本海)
予算
令和3年度 資源・エネルギー関係概算要求の概要
関連資料
公式サイト
「燃える氷」メタンハイドレートは本当に日本を変えるのか
「メタンハイドレートさえあれば日本のエネルギーは大丈夫だというのは幻想ですね。存在している資源の全てが回収できるわけじゃない。これを輸出できてなんていうのは、現実を知らない人だけです。そう言って一般の人を惑わせてはいけないでしょう。資源については間違ったことが平気で流されて、時にはそれが政策にまで影響してしまうということがあるので、関係者には科学的事実を正しく理解し、共有してほしいと思います」
資源かどうかの見極めは、エネルギー収支比を見ればわかります。通常のガス田ならば掘削すればガスが自噴しますが、メタンハイドレートは固体です。まずは固体からメタンガスを遊離しなければならず、そのためには相当のエネルギーが必要になる。入力エネルギーを1とした場合、油田の初期なら100の出力エネルギーがあるのに対し、メタンハイドレートはガス化にエネルギーが必要ですからエネルギー収支比は1以下、経済性がまったくないでしょう。ちなみにシェールガスの出力エネルギーは5程度とされています。
表層型メタンハイドレートの経済性
レアメタル
レアメタル、希少金属(きしょうきんぞく)は、様々な理由から産業界での流通量・使用量が少なく希少な非鉄金属のこと。
レアメタルは非鉄金属全体を呼ぶ場合もあるが、狭義では、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム等のベースメタル(コモンメタルやメジャーメタルとも呼ばれる)や金、銀などの貴金属以外で、産業に利用されている非鉄金属を指す[1]。この意味での「レアメタル」は、日本独自の用語(和製英語での用法)であり、英語圏では "minor metal" といい[2]、日本語にもこの語を音写した外来語「マイナーメタル」がある[3][4]。英語における "rare metal" は希土類元素 (rare earth) と同義である。
経産省 エネ庁
熱水鉱床
コバルトリッチクラスト
マンガン団塊およびレアアース泥
予算
研究不正大国ニッボン
研究不正に関する法令とガイドライン
科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律
第六節 その他の研究開発等の推進のための基盤の強化
(研究開発等の公正性の確保等)
第二十四条の二 研究者等は、研究開発等の公正性の確保及び研究開発等に係る資金の適正な使用について第一義的責任を有するものであって、研究開発等に係る倫理に関し知識と理解を深めること等を通じて、研究開発等の公正かつ適正な実施に努めるものとする。
2 研究開発機関は、その研究者等が研究開発等に係る倫理に関する知識と理解を深めるために必要な取組を実施するとともに、研究開発等に係る不正行為(資金の不正な使用を含む。次項において同じ。)について客観的な根拠に基づき適切に対処するよう努めるものとする。
3 国は、研究開発等に係る不正行為が科学技術に対する国民の信頼を損なうとともに、科学技術の水準の向上を妨げることに鑑み、その防止のための体制の強化その他の研究開発等に係る不正行為の防止に必要な施策を講ずるものとする。
文科省のガイドライン
研究活動における以下の行為。
- 故意:捏造、改ざん、盗用、二重投稿等
- 過失:研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠った行為
特定不正行為及び管理責任に対する措置
第4節 特定不正行為及び管理責任に対する措置
2 組織としての管理責任に対する研究機関への措置
(2)迅速な調査の確保
競争的資金の配分機関は、当該競争的資金の配分により行われた研究活動において特定不正行為の疑いがある事案が発覚したにもかかわらず、正当な理由なく研究機関による調査が遅れた場合は、当該競争的資金における翌年度以降の1か年度の間接経費措置額を一定割合削減する。間接経費措置額の削減割合については、上限を間接経費措置額の10%とし、配分機関が個別に定めるものとする。
第5節 文部科学省による調査と支援
1 研究活動における不正行為への継続的な対応
文部科学省は、有識者による検討の場を設け、本ガイドラインの実施等に関してフォローアップするとともに、必要に応じて本ガイドラインの見直し等を行う。
4 研究機関における調査体制への支援特定不正行為の疑いが生じた場合には、まず研究機関において調査を行うこ とになるが、当該研究機関だけでは十分な対応が困難な場合も考えられる。こ のため、文部科学省は、研究機関において十分な調査を行える体制にないと判 断する場合は、研究機関に対し適時助言を行うとともに、日本学術会議や配分 機関と連携し、専門家の選定・派遣を行うなど調査を適切かつ円滑に進めるた めに必要な支援を行う。
九州大学の対応
研究倫理ガイド
研究不正行為への対応
虚偽公文書作成による研究不正の隠蔽
日本は研究不正大国
科学後退国 ニッポン
今年の「ノーベル賞ゼロ」は決して偶然でない ── 科学への誤った投資が研究現場を殺している撤回論文上位を日本人が寡占
サイエンス誌があぶり出す「医学研究不正大国」ニッポン
撤回論文数上位10人の半数は日本人
記事は、論文監視サイト「リトラクションウォッチ」が作成した、撤回論文数の研究者別ランキングを引用し、研究論文の5%しか作成していない日本人が、撤回論文が多い研究者上位10人のうち半分の5人を占めることを指摘する。
「研究不正大国」からの脱却を
具体的には,研究不正や誤った実験などによる撤回論文数の多い研究者ワースト10に2人,ワースト30に5人もの日本人が入っています。国別の論文撤回率においても,日本は5位です。そして,2014年に発生したSTAP細胞事件とディオバン事件という二つの大きな研究不正により,日本は研究不正の「量」だけでなく「質」においても世界から注目を集める国になってしまいました。
日本の状況
STAP細胞事件が覆い隠した科学技術立国ニッポンの「ヤバい現実」
何も学ばなかった科学界
しかし、最近日本人研究者や日本人医師が、留学先で行った行為を研究不正とみなされ、処分される事例が相次いでいる。日本では当たり前に行っていた行為が研究不正と認定されてしまうのだ。
研究機関も研究者も科学界も、そして行政も、STAP細胞事件から何も学んでいないのだ。
「研究公正」を科学技術政策の中心に
正直なところ、大学や研究機関も、そして研究者の多くも、研究不正対策を「負のコスト」と考え、研究不正対策に時間も人員も金も割きたくないと考えているだろう。 その意識は、大学や研究機関のなかにも、研究不正を取り扱う専門の部署がないことにも透けて見える。担当者は他の仕事と兼任しており、人事異動でいつ担当者が変わるか分からない。
もちろん日本も何もしていないわけではなく、文部科学省(文科省)の科学技術・学術政策局人材政策課には研究公正推進室がある。研究資金を配分する機関にも、研究不正を取り扱う部署がある。 しかし、文科省の部署が「室」であるように、諸外国に比べてヒトカネとも不足している。数年ごとの人事異動で職員が変わるような状況だ。諸外国からみれば、日本の現状を誰に聞けばよいのかすら分からない状況だという。
誰も本腰を入れて関わりたくないという真空状態。それが行き着く先が研究不正の隠蔽だ。研究不正の事例を正直に公開すれば、STAP細胞事件で矢面にたたされた理研のように、徹底的に叩かれてしまうかもしれない。だったらなかったことにしてしまったほうが、研究機関にとっても研究者にとっても都合がよいとなる。
ネイチャー誌が糾弾~日本発最悪の研究不正が暴く日本の大学の「不備」
文部科学省は、独立した調査機関もなく、各研究機関に任せることは、「学問の自由」を尊重しているからだというが(あるシンポジウムでの担当者の発言より)、果たしてそれで十分だろうか。
日本の研究者、研究機関、そして行政に向けられている目は厳しい。せめて関係者は当事者意識を持つことから始めなければならない。
『研究不正と歪んだ科学—STAP細胞事件を超えて』
だから EU などは統一した研究公正システムを構築しようとしている。アメリカとの関係が強いカナダや中南米はアメリカの基準に合わせようとしている。
しかし、日本はこうした時代の流れに乗り切れていない。研究者の流動性が乏しいからなのか、ずさんな「研究公正システム」を見直そうとしない。そのため、日本から諸外国に渡った研究者が、日本の基準で研究をしたところ、研究不正として認定されたというケースが後を絶たない。残念ながら、今のままの「研究公正システム」でいたら、日本の研究や日本の研究者は世界から排除されてしまう。これがどれだけ日本の研究にダメージを与えるのか、研究者や政策関係者は理解しているのだろうか。
文科省の対応
研究活動における不正行為への対応等
文科省への意見
「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて 研究活動の不正行為に関する特別委員会報告書(案)」に対する意見募集の結果
平成18年7月8日~7月23日https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu12/siryo/attach/1334868.htm
- 「調査機関は、不正行為が行われなかったとの認定があった場合は、原則として調査結果を公表しない。」とありますが、不正行為が行われなかったと認定された場合も公表すべきだと思います。公表されなければ調査方法、手順などが本当に適切であったのか、さらにその認定が正しいのかどうか、第三者には判断できません。これでは、調査機関の一存で簡単に「クロ」を「シロ」と認定できてしまいます。私は以前、ある研究者による捏造・改竄を明確な客観的証拠を提示して学会や研究機関に訴えたことがありますが、研究機関は何の反証も提示しないまま「シロ」と判定し、その経緯は公表されませんでした。調査機関、すなわち問題の研究者が所属する研究機関は当然、所属の研究者による不正事件など起きてもらっては困るので、「クロ」を「シロ」と認定しようとすることは十分に予測できます。このような轍を踏まないためにも、不正行為の認定のあるなしに関わらず、調査結果を公表した方がよいと思います。また、「悪意に基づく告発」であっても、調査結果を公表し正確な情報を表に出すことで被告発者の名誉回復もなされやすくなると思います。
- 大阪大学医学部での今回の不正行為事件の調査に携わりましたが、研究機関だけで調査を進めることが非常に困難であると痛感しました。アメリカではNIHの下部機関としてOffice Research Integrity(ORI)が存在し、20名以上の博士号を持つ専属のスタッフが配置されていると理解しています。調査は研究機関が主体性を持って進めるとしても、ORIが積極的に研究機関にアドバイスしていると思います。日本の大学には様々な派閥、利害関係があります。残念ですがその利害関係が調査に影響を与えます。ORIのような政府機関が調査に関与すれば、より強い権限で調査を進めることができ、また公正な調査になると思います。
- 科学における不正(不正論文、研究費の不正使用、その他の研究にまつわる様々な不正や人事問題等を含む)の疑惑が出た場合には、大学や研究所の内部の調査委員会では、公正な調査や処分が行われることは非常に困難である。外部委員が居ても内部の意向を強く反映した、組織に取って都合良く選任された内部委員会に変わりなく、不正を行った同じ組織の仕事仲間に対して温情的な調査や処置が行われるのが常である。
「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に関する意見募集の結果について
平成26年8月26日寄せられた御意見の概要https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/09/03/1351568_03_1.pdf
(不正行為の調査やその違反に対する措置に関して、各研究機関に任せるべきではない。被告発者の所属する研究機関が調査を実施することで、厳格な調査がなされていないのではないか。また、国が独立した調査機関を設けて対応してはどうか。)御意見に対する考え方
- 調査の公平性を担保するために、調査委員となる外部有識者の中に1~2名、不正調査が行われる場合に専任で担当する人を第三者機関から派遣し、一定の判断水準を維持することをしてはどうでしょうか。
- 研究者や研究機関から独立した第三者的な不正行為に対応する専門の機関を新たに設けるべきだと思います。
本ガイドラインでは、研究機関を挙げて研究活動における不正行為を防止することを基本的な考え方としており、一義的には不正行為の疑いがあるものに対しては当該研究機関が調査を行うことを求めています。その上で、本ガイドラインにおいて調査の手続きを示し、調査委員会には半数以上の外部有識者をいれることとし、調査の公正性を担保しております。
関連動画
メタンハイドレート概要
*)可採資源量:埋蔵量(回収可能量)、賦存量:原始資源量(存在量)
日本の取り組み
2001年から1,235億円*を賭けたが、商業化のめど立たず
*)2019以降、毎年100億円程度加算
砂層型に続き表層型の開発へ
メタンハイドレートとは
- ガスハイドレートとは(明大 ガス研)
- メタンハイドレートとは(MH21-S)
メタンガスと水が低温・高圧の状態で結合した氷状の物質
砂層型:太平洋、表層型:日本海
砂層型:海底下で砂と混在、表層型:海底付近に氷状で存在
エネルギー収支比は1以下?
2 エネルギー収支の試算 ガス生産量が大きい条件から小さい条件までエネルギー収支の試算を行った結果、MH の EROIは重油並みの 10‐16 程度と試算された。現時点において、想定されているような生産挙動が得 られるのであれば、MH 開発に向けて研究開発を行うことは、国産エネルギーの有効活用という 観点において合理性を有すると言える。
可採資源量:日本海域で日本のガス使用量の数年分
「東日本大震災以降、国内の天然ガス使用量は2倍くらいになっています。メタンハイドレートは天然ガスですから、それを日本で採れればと期待できるかもしれない。でも、現実的には、天然ガスの役割の一部分をメタンハイドレートが果たす、というくらいでしょう」
松本特任教授が言うには、国内のメタンハイドレートの総量は、今の日本が一年に使っている天然ガスの数倍から10倍ほどしかないという。
砂層型
太平洋:海底下で砂と混在
「砂層型は広い範囲に分布しているので量的には多いのですが、その分広範囲から集めてこなくちゃいけない。石油の場合は流体ですから、1カ所の櫓(やぐら)で圧を抜くと、自然に移動してきて集めることができる。言ってしまえばストロー1本刺せばいいわけです。ですが、ハイドレートは固体なので、そう簡単にはいかない。海底面下数百mの深度で、数kmの範囲に広がっているメタンハイドレートから、どのようにガスを集めるのかという大きな課題があります」松本2017
賦存量:東部南海トラフで日本のガス使用量の11年分
回収技術:減圧法(ガス生産レートが時間と共に減少)
表層型
日本海:海底付近に氷状で存在
「表層型は直径は数百m、厚さは100mくらいの円盤状に、最初から1カ所に集まっています。こちらの問題も、それをどう採るかですね。メタンハイドレートというのは水より比重が軽く、海底に出てくるとプカプカ浮いてくるので、おそらくは塊のままパイプの中を誘導するという形を取ることになると思います。海水中を浮上してくれば圧力が下がり、温度も上がって自然に分解するので、1000mものパイプの中を浮上させることもできる。それが、私が考えている基本的な採掘方法です」松本2017
賦存量:上越沖マウンドで日本のガス使用量の2日分
回収技術:なし(公募、検討中)
メタンプルーム
日本海:メタンハイドレートの泡
メタンプルーム(英: methane plume) とは、海中を泡のように浮上するメタンハイドレート。通常、海底から湧き出たメタンガスは直ぐに海水に溶けるが、一定の条件下(低温、高圧)ではハイドレート化して浮上する。近年、地球環境の変動要因として世界で研究されているが、資源としての研究はのみ。メタンプルームは日本では日本海で多く見られ、高さはスカイツリー程の物もあるが、疎らであるため、資源としては一本で数軒の民家が賄える程度。
賦存量:ブルーム1本で一般家庭のガス使用量の数軒分
プルームのメタン湧出量は、の原始資源量と同じで、どんなに技術が進歩してもこれ以上は回収できません。そのエネルギー量は太陽光と同程度。また、エネルギー収支比は1未満で、例えば、プルームで1のエネルギーを得るには、石炭を1以上の燃やさなければなりません。回収すればするほど、輸入エネルギーとCO2が増える最悪の自前資源です。
回収技術:なし(資源ではない)
資料
公式
ネット番組
メタンハイドレートにダマされるな
資源かどうかの見極めは、エネルギー収支比を見ればわかります。通常のガス田ならば掘削すればガスが自噴しますが、メタンハイドレートは固体です。まずは固体からメタンガスを遊離しなければならず、そのためには相当のエネルギーが必要になる。入力エネルギーを1とした場合、油田の初期なら100の出力エネルギーがあるのに対し、メタンハイドレートはガス化にエネルギーが必要ですからエネルギー収支比は1以下、経済性がまったくないでしょう。ちなみにシェールガスの出力エネルギーは5程度とされています。
「燃える氷」メタンハイドレートは本当に日本を変えるのか
「国が主導して行ってきた南海トラフでの調査は、予備調査を含めてすでに20年以上続けてきているのですが、今も決着はついていないんです。資源として回収できるものなのか、また回収できるとしてもどのような方法で行えばいいのか」
まだ採掘手段が確立されていないどころか、資源として回収できるものなのかどうかも議論が続いているという。メタンハイドレートの実用化は、想像以上にハードルが高いようだ。
「メタンハイドレートさえあれば日本のエネルギーは大丈夫だというのは幻想ですね。存在している資源の全てが回収できるわけじゃない。これを輸出できてなんていうのは、現実を知らない人だけです。そう言って一般の人を惑わせてはいけないでしょう。資源については間違ったことが平気で流されて、時にはそれが政策にまで影響してしまうということがあるので、関係者には科学的事実を正しく理解し、共有してほしいと思います」
「メタンハイドレート商業化は無理」の声が噴出 資源大国という壮大な幻
だが、ある資源開発企業の社員は首をかしげる。「地中で圧力を下げてガスを取り出せば、その周辺部との圧力差が生じるため地層内で崩壊が起こり砂が交じるのは、この業界では常識だ。しかしその対策が不十分だったため、国は100億円以上投じてムダな実験をしてしまった」。
海底資源を研究するある大学教授も手厳しい。「減圧法の問題点は、ずっと前から国の審議会で指摘されてきたもの。あの試験では、やはり無理なことがわかっただけだ」。
経産省は当初、今年中にも2回目の海洋産出試験を行う予定だった。だが生産手法の欠陥が浮き彫りになったことで「なぜ砂が入ってきてしまうのか、さらなる原因分析と技術課題克服に時間を要する」(JOGMEC石油開発技術本部の中塚善博氏)と、延期を決めた。
メタンハイドレートで未来はあるのか?
「結果から先に言えば、今回は12日間の産出試験で35,000立方メートルのガスを回収した。2013年の試験では6日間の操業で12万立方メートルのガスを回収できたので、それを下回ったわけである。両方とも、もっと長い期間の操業を期待したのであるが、いずれも沢山の砂粒がボーリング孔に入り込んでくる出砂現象で産出が止まってしまったのである。」
「今年5月の試験操業で回収できたメタンガスの量は35,000立方メートルであった。これを金額に直すと約130万円ということができる。探査船ちきゅう号を含めた今回の試験操業の予算はおそらく100億円を越えるものであったろうと思われる。1000mという深海からのガス生産はそれほど高コストであり、解決しなければならない問題は山ほど残っている。」
一番の問題は吸熱反応
自然を相手にすることに加えて、メタンハイドレートからメタンガスを回収する際の一番の問題は「メタンハイドレートがメタンガス(気体)と水(液体)に分解する反応は周囲から熱を奪う吸熱反応(400kj/kg)」であることがある。
つまり分解・回収を続けていると地層の温度が低下し、分解が止まり、生産レートが下がる特徴があるのである。何らかの方法で熱を供給してやらねば分解が止まるわけで、渥美半島沖などの砂層型と呼ばれる資源の採掘では周囲(特に上下の)泥岩層からの熱補給が可能と考えられている。これは地球熱の利用というわけであるが、果たしてどこまでそのような熱補給が可能であるかは長期の操業をやって見なければ分からないであろう。
上記のように崩落が生じれば、上部泥岩層からの熱補給は中断されるであろうし、途中に断層が存在したり、泥岩層が途中で消え失せて熱伝導度の異なる地層に熱の供給を依存する場合も考えられよう。自然任せということは、生産のコントロールがそれだけ難しくなることを物語るものと言えよう。
China and Japan find way to extract 'combustible ice' from seafloor, harnessing a legendary frozen fossil fuel
- メタンハイドレートの商業化は2030年以降
The consensus within the industry is that commercial development won’t happen until at least 2030.
Smaller scale output could happen as early as 2020, said Tim Collett, a scientist with the U.S. Geological Survey.
China extracts 861,400 cubic metres of natural gas from ‘flammable ice’ in South China Sea
Fan Xiao, chief engineer with the Sichuan Geology and Mineral Bureau, said that compared to conventional fuels like oil and gas, flammable ice was still too costly to extract to make its widespread use commercially viable.
「石油系エネルギー資源の行く末を人類の知恵は乗り越えられるか」
Why ‘flammable ice’ could be the future of energy
But at the same time, Japan is committing to moving towards renewable energies and decarbonisation. As technologies for harnessing renewable energy become better and cheaper, the role for fossil fuels – especially experimental and expensive ones like methane hydrate – decreases. The longer it takes to get methane from gas hydrate reserves on a commercial scale, the shorter the useful window for using it may be. The other possibility is that adding in a new accessible source of fossil fuel could delay the transition to renewables, says Collett.
CO2排出料の比較
メタンハイドレートの試掘に成功
この開発作業を進めている石油・天然ガス・金属資源開発機構(JOGMEC)によるメタンガスの生産原価の試算値 46 ~174 円/m3を、米国のシェールガスの10円/m3 と比較している。