表層型メタンハイドレート
「表層型は直径は数百m、厚さは100mくらいの円盤状に、最初から1カ所に集まっています。こちらの問題も、それをどう採るかですね。メタンハイドレートというのは水より比重が軽く、海底に出てくるとプカプカ浮いてくるので、おそらくは塊のままパイプの中を誘導するという形を取ることになると思います。海水中を浮上してくれば圧力が下がり、温度も上がって自然に分解するので、1000mものパイプの中を浮上させることもできる。それが、私が考えている基本的な採掘方法です」松本2017
概要
新潟県沖でメタンハイドレート確認 映像公開(13/11/30)
学術調査:東大他(2004~2012)
http://www.cs.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2011/12/cs-h23-2-9.pdf
資源開発:経産省(2013~)
計画
資源量調査(2013~2015)
上越沖マウンドで約6億m3(日本のガス使用量の2日分)
回収技術開発(2016~)
回収技術の公募(2016)
公募
応募 6チーム
採掘技術:三井チーム、三菱チーム
分離技術:(同上)
海洋調査・環境影響評価:産総研
資料
公式
産総研:表層型メタンハイドレートの研究開発日本海側(表層型)も嘘(2018)
メタンハイドレートに未来はあるのか?(2017)
日本海の表層型資源はどうか?
渥美半島沖の資源は砂層型と呼ばれ、1000m近くの海底から300mほど掘り下げたところに水平方向に広範囲に存在するもので、資源量は大きなものが期待されるが、日本海を中心に存在する表層型資源は「ガスチムニー」とも呼ばれる海底面近くに塊状で存在する資源で、個別に採掘する必要があり、逆に回収が難しいものと言えよう。
一案としては、じょうごを逆さまにしたような鋼鉄製の大型容器を海底面に降ろし、ノズルから高圧の水流を出してメタンハイドレートの塊を砕き、水と攪拌して水に溶かしたメタンハイドレートを水ごと海上に運んでガスを回収する方法などが考えられている(青山繁晴「希望の現場メタンハイドレート」より)。
しかし個別の断続的な操業であるだけに、回収されるガスのエネルギー量と装置の製造や作業船を含めた操業のための投入エネルギー量を比較する「エネルギー収支比」が経済的に成り立つかという問題があろう。いずれにしても表層型資源はその存在を確かめる段階にあり、採掘方法の検討はまだまだこれからという段階にある。1か所での大量生産が望めないという点で経済的には砂層型に劣ることは否めないであろう。