砂層型メタンハイドレート

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「砂層型は広い範囲に分布しているので量的には多いのですが、その分広範囲から集めてこなくちゃいけない。石油の場合は流体ですから、1カ所の櫓(やぐら)で圧を抜くと、自然に移動してきて集めることができる。言ってしまえばストロー1本刺せばいいわけです。ですが、ハイドレートは固体なので、そう簡単にはいかない。海底面下数百mの深度で、数kmの範囲に広がっているメタンハイドレートから、どのようにガスを集めるのかという大きな課題があります」松本2017

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  1. 計画
  2. 賦存量
  3. 回収技術
  4. 既存エネルギーが枯渇するまで商業化できない 
  5. 資料




計画

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賦存量


賦存量:東部南海トラフで日本のガス使用量の十年分 

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回収技術

 

減圧法

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ガス生産レートが時間と共に減少(長期間の回収=商業化 不可)

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生産増進法(改良減圧法)

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既存エネルギーが枯渇するまで商業化できない 

 

メタハイの商業化は無理

 

メタハイの開発は補助金の為

 

海底の固体を取り出すのは 技術的に無理


全部失敗!今のところ  

 

資料


公式 

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砂層型メタンハイドレートフォーラム 2020  

メタンハイドレートにダマされるな

資源かどうかの見極めは、エネルギー収支比を見ればわかります。通常のガス田ならば掘削すればガスが自噴しますが、メタンハイドレートは固体です。まずは固体からメタンガスを遊離しなければならず、そのためには相当のエネルギーが必要になる。入力エネルギーを1とした場合、油田の初期なら100の出力エネルギーがあるのに対し、メタンハイドレートはガス化にエネルギーが必要ですからエネルギー収支比は1以下、経済性がまったくないでしょう。ちなみにシェールガスの出力エネルギーは5程度とされています。


「メタンハイドレート商業化は無理」の声が噴出 資源大国という壮大な幻

 だが、ある資源開発企業の社員は首をかしげる。「地中で圧力を下げてガスを取り出せば、その周辺部との圧力差が生じるため地層内で崩壊が起こり砂が交じるのは、この業界では常識だ。しかしその対策が不十分だったため、国は100億円以上投じてムダな実験をしてしまった」。
 海底資源を研究するある大学教授も手厳しい。「減圧法の問題点は、ずっと前から国の審議会で指摘されてきたもの。あの試験では、やはり無理なことがわかっただけだ」。
 経産省は当初、今年中にも2回目の海洋産出試験を行う予定だった。だが生産手法の欠陥が浮き彫りになったことで「なぜ砂が入ってきてしまうのか、さらなる原因分析と技術課題克服に時間を要する」(JOGMEC石油開発技術本部の中塚善博氏)と、延期を決めた。

 

メタンハイドレートで未来はあるのか?

「結果から先に言えば、今回は12日間の産出試験で35,000立方メートルのガスを回収した。2013年の試験では6日間の操業で12万立方メートルのガスを回収できたので、それを下回ったわけである。両方とも、もっと長い期間の操業を期待したのであるが、いずれも沢山の砂粒がボーリング孔に入り込んでくる出砂現象で産出が止まってしまったのである。」
「今年5月の試験操業で回収できたメタンガスの量は35,000立方メートルであった。これを金額に直すと約130万円ということができる。探査船ちきゅう号を含めた今回の試験操業の予算はおそらく100億円を越えるものであったろうと思われる。1000mという深海からのガス生産はそれほど高コストであり、解決しなければならない問題は山ほど残っている。」
一番の問題は吸熱反応

 自然を相手にすることに加えて、メタンハイドレートからメタンガスを回収する際の一番の問題は「メタンハイドレートがメタンガス(気体)と水(液体)に分解する反応は周囲から熱を奪う吸熱反応(400kj/kg)」であることがある。

 つまり分解・回収を続けていると地層の温度が低下し、分解が止まり、生産レートが下がる特徴があるのである。何らかの方法で熱を供給してやらねば分解が止まるわけで、渥美半島沖などの砂層型と呼ばれる資源の採掘では周囲(特に上下の)泥岩層からの熱補給が可能と考えられている。これは地球熱の利用というわけであるが、果たしてどこまでそのような熱補給が可能であるかは長期の操業をやって見なければ分からないであろう。

 上記のように崩落が生じれば、上部泥岩層からの熱補給は中断されるであろうし、途中に断層が存在したり、泥岩層が途中で消え失せて熱伝導度の異なる地層に熱の供給を依存する場合も考えられよう。自然任せということは、生産のコントロールがそれだけ難しくなることを物語るものと言えよう。


 「燃える氷」メタンハイドレートは本当に日本を変えるのか

メタンハイドレートさえあれば日本のエネルギーは大丈夫だというのは幻想ですね。存在している資源の全てが回収できるわけじゃない。これを輸出できてなんていうのは、現実を知らない人だけです。そう言って一般の人を惑わせてはいけないでしょう。資源については間違ったことが平気で流されて、時にはそれが政策にまで影響してしまうということがあるので、関係者には科学的事実を正しく理解し、共有してほしいと思います」



海底メタンハイドレートの採掘技術の動向

 天然ガスハイドレートの従来の採掘方法には、減圧法と加熱法、試薬注入法の3種類がある。この3種の採掘方法は、陸上天然ガスハイドレートの採掘試験に幅広く用いられている。陸上試験採掘の実践は、減圧法が相対的に言って経済的に実行可能な方法であることを明らかにしている。減圧法は、天然ガスハイドレートの埋蔵層の圧力を下げることにより、天然ガスハイドレートの分解を促進し、天然ガスを採取するものである。日本はこの方法を採用して採掘試験を行い、海底での天然ガスハイドレートの採掘に成功し、減圧法を海底天然ガスハイドレートの採掘に用いることができることを証明した。
 中国国外の科学者はさらに近年、CO2ハイドレート置換法や固体採掘法、混合スラリー採掘法など、海底ハイドレートを採掘する新たな方法を提出している。置換法の原理は、天然ガスハイドレート堆積層にCO2を注入し、CO2がハイドレートを生成すると同時に、放出される熱量が天然ガスハイドレートを分解するというものである。この方法は、CO2を貯留することができ、環境保護性が高く、前途のある採掘方法と言える。固体採掘法の原理は、固態の天然ガスハイドレートを直接採取し、浅水区域または船上に引き上げて分解するものである。混合スラリー採掘法は固体採掘法を由来とし、その原理は、天然ガスハイドレートをまず堆積層で気液混合相に分解し、その後、天然ガスと水、スラリーの三相が混じった混合スラリーを船上に引き上げて処理するというものである。


油層エンジニアから見たメタンハイドレート研究開発の現状と今後

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